特定技能と就労ビザ(技人国)の違いを徹底比較

特定技能と技人国の違い

外国人が雇用できる特定技能が新しく2019年に設立されましたが、技人国などの就労ビザとどういった点が違うのか気になるという方もいらっしゃるかと思います。


そこで、本記事では、外国人が日本で就労できる在留資格「特定技能」と就労ビザの中でも人数の多い「技人国」の特徴とそれぞれの違いについて解説していきます。

就労ビザとは

就労ビザとは日本で就労できる在留資格のことを指します。

日本で外国人が在留するための許可証のようなものを在留資格と言い、一般的には在留資格は「ビザ」と呼ばれています。

本来の意味で「ビザ」は、自国にある日本大使館または領事館から発給される入国に必要な証書を示しますが、ビザと在留資格は一緒の意味で使われることが多いです。

・正式名:在留資格
・通称名:ビザ

在留資格(ビザ)には、働くことができる就労ビザとそれ以外のビザがあります。

特定技能、技人国などの在留資格は就労が認められるため、どちらも就労ビザに含まれます。一方、短期滞在・留学・家族滞在といった在留資格では就労することは認められていません。(留学生や家族滞在は資格外活動の許可を得ていれば、週28時間以内のアルバイトは認められています。)

もし、就労ビザでない外国人を雇用した場合には、外国人本人と雇用側の両方に不法就労の罰則が科せられるため注意が必要です。外国人を雇用する際は、外国人が所持している在留カードに記されている就労ビザの認定を確認することが必要です。

就労ビザの種類

では、就労ビザの種類について解説していきます。現在、活動が認められている就労ビザは全19種類あります。就労ビザの他に「身分・地位にもとづく在留資格」も同様に、就労制限が無く日本で働くことができます。

※身分・地位にもとづく在留資格:永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者 就労できるビザ19種類は以下の通りです。

1外交
2公用
3教授
4芸術
5宗教
6報道
7高度専門職
8経営・管理
9法律・会計業務
10医療
11研究
12教育
13技術・人文知識・国際業務(技人国)
14企業内転勤
15介護
16興行
17技能
18特定技能
19技能実習

在留資格に関しては、以下の記事で詳しく解説しているのでご参照ください。

関連:在留資格とは?ビザとの違いや種類などわかりやすく解説

特定技能とは

特定技能は、人手不足の特定産業12分野で外国人を雇用することができる就労ビザです。外国人は、入国する前に一定のレベルの日本語能力試験と技能試験に合格しているため、雇用した後に即戦力として会社で働いてもらうことが可能です。

特定技能の要件は以下の通りとなります。

・年齢:18才以上
・在留資格の種類:特定技能1号/特定技能2号
・在留期間:特定技能1号は最長5年間/特定技能2号は在留期間の制限なし、更新は必要
・日本語:日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル程度
・技能水準:特定産業12分野・業務区分で設定された技能試験の合格
・業務内容:特定技能1号は特定産業12分野での業務/特定技能2号は、建設と造船・舶用工業のみ(現在、特定技能2号の対象分野が拡大検討されている) 特定技能は、単純作業で雇用可能。
・家族帯同:原則的に不許可
・転職:可能
・支援団体:登録支援機関

関連:特定技能とは?わかりやすく制度や仕組みを解説

技人国とは

技人国はエンジニアや営業など高い専門性や知識などが必要とされる、いわゆるホワイトカラーの仕事をする外国人が取得できる在留資格になります。

就労ビザの中でも「技術・人文知識・国際業務」は人数が多く、頭文字を取って通称「技人国」と呼ばれています。技人国の在留資格では、以下の職種・業務で働くことができます。

技術

理学、工学、その他の自然科学の分野の知識と実務経験のある外国人を雇用できます。対象職種の例)機械工学技術者、システムエンジニアプログラマー、CAD、CAEを使用する業務、機械工学、技術開発など

人文知識


法律学、経済学、社会学、その他の人文科学の分野の知識と実務経験のある外国人を雇用できます。対象職種の例)企画、営業、経理、総務、貿易事務、マーケティング支援業務など。

国際業務


外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務で外国人を雇用できます。対象職種の例)語学教師、通訳、翻訳、デザイナーなど 技人国ビザは、大学、短大、大学院、日本の専門学校で学んだ知識と実務経験が必要です。

特定技能と技人国の違い

特定技能と技人国の違いには以下のようなものがあります。

・業務内容
・対象業種・職種
・試験の有無
・家族帯同

業務内容

特定技能と技人国ビザの主な違いは、従事する業務範囲と実務経験です。

例えばホテル・宿泊業を例にしますと、特定技能で従事できる業務は、単純作業を含む幅広い範囲に対応できますが、技人国ビザの場合は、フロント業務と事務職に限定されています。

飲食業を例にしますと、特定技能は単純作業と幅広い業務範囲で雇用できますが、技人国ビザの場合は、事務職や通訳・翻訳に限られています。接客に関しては、単純作業と見なされてしまうため、技人国ビザで接客業で雇用することは難しくなる傾向があります。

こういったように、技人国の在留資格ではブルーカラーに該当するような単純労働の業務は認められておらず、特定技能は単純労働を含む幅広い業務に携わることができます。

対象業種・職種

特定技能と技人国の大きな違いとして、対象となる業種・職種が違うことです。

特定技能
技人国
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • IT技術者、外国語教師、通訳など

特定技能では、上記の12分野のみが対象の業種となり、プログラマーや理工系技術者といったIT系、営業や経理といった仕事では雇用することはできません。

特定技能が対象となる分野に関しては、詳しくは以下をご参照ください。

関連:【最新】特定技能外国人の職種・業種一覧まとめ【2022年】

試験の有無

特定技能1号は技能水準試験や日本語能力試験といった試験に合格する必要がありますが、技人国は在留資格を取得するための試験はありません。

また、特定技能2号は2022年から試験が実施されると言われていますが、今のところ未実施となっています。

家族帯同

また、特定技能は家族帯同が認められていません(特定技能2号は認められている)が、技人国では家族帯同が認められており、配偶者や子供を日本に呼び寄せることが可能となっています。

まとめ

特定技能と技人国の違いについて解説をしました。

就労ビザには特定技能や技人国など様々な種類があり、それぞれ在留資格の特徴などが違います。

また、特定技能と技人国では業務内容、対象となる業種などが違うため、自社の業種や業務内容に適しているかどうかを判断して採用を考えるようにしましょう。

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