特定技能1号と2号の違いとは?在留期間や対象分野など異なる点を解説

即戦力となる外国人を雇用できる制度「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号の2つの在留資格が設けられていますが、それぞれどういった違いがあるのでしょうか?

この記事では特定技能1号と2号の違いについて、在留期間や対象業種など解説をしていきます。

特定技能1号とは

特定技能1号は特定産業分野の知識や経験を必要とする技能が必要な業務を行える在留資格です。特定技能1号を取得することで、業種に応じた深い知識・経験を持っていることが証明できます。

特定技能1号を雇用できる業種は以下の12分野が現在(2022年12月時点)の対象となる業種になります。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 建設
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

関連:【最新】特定技能外国人の職種・業種一覧まとめ【2022年】

特定技能2号とは

特定技能2号は、特定産業分野での熟練した技能が必要な業務における在留資格です。特定技能2号の方が、特定技能1号よりもより熟練した人材であることが証明されます。

現在、特定技能2号の対象となるのは、以下2業種のみ(2022年12月時点)のため、今後さらに対象業種の拡大が期待されています。

  • 建設
  • 造船・舶用工業

特定技能1号と2号の違い

特定技能1号と2号では、上記で解説したように対象となる業種が異なりますが、対象業種以外の違いとしては、以下のようなものがあります。

  • 在留期間
  • 求められる技能水準
  • 日本語能力試験の有無
  • 家族の帯同
  • 登録支援機関による支援の有無

それぞれ、解説をしていきます。

在留期間

特定技能1号の在留期間は通算5年が上限となっています。

1年・6か月又は4か月ごとに在留資格の更新を行い、最大で通算5年まで特定技能1号として企業で働くことができます。

特定技能2号は在留期限の制限がなく、無期限に日本に滞在することが可能となっている在留資格になります。

3年・1年又は6か月ごとの更新手続きは必要にはなりますが、実質的に永住ができるため、企業側も在留期限に縛られずに特定技能外国人を雇用することができます。

特定技能1号・2号の在留期間について詳しくは以下の記事でまとめています。

関連:特定技能外国人の在留期間は?最大何年までいられる?

求められる技能水準

特定技能1号は特定産業分野において、相当程度の知識または経験を持つ外国人に与えられる在留資格ですが、特定技能2号は「熟練した技能」を持つ外国人に与えられる在留資格です。

そのため、特定技能1号よりも2号の方がより高いレベルの技能水準を有しています。

日本語能力試験の有無

特定技能1号では技能試験と日本語能力を確認するための試験が実施されますが、特定技能2号では技能試験のみが実施され、日本語能力の試験はありません。

家族の帯同

特定技能1号では家族の帯同は基本的に認められておらず、日本で家族と一緒に暮らすといったことは出来ません。

一方、特定技能2号では要件を満たせば配偶者や子供に限って、日本で一緒に生活することができます。

支援の必要性の有無

特定技能1号は支援が必要となり、登録支援機関に委託、もしくは自社(受け入れ機関)で支援を行います。過去2年間外国人社員が在籍している場合は自社での支援が可能ですが、労力や費用面などから支援が難しく、登録支援機関に委託するのが一般的となっています。

特定技能2号の場合は受け入れ機関・登録支援機関による支援の対象外となっています。

特定技能1号と2号の取得方法

特定技能1号、2号を取得する方法は、以下の通りです。

特定技能1号においては、2パターンに分かれており試験を受けて合格してから取得する方法と、技能実習から特定技能へ移行する方法があります。特定技能2号については、特定技能2号の取得方法は、技能試験を受けた上で移行する流れとなっています。

詳しくそれぞれについて解説します。

特定技能1号になるには

外国人が特定技能1号の在留資格を取得するための方法は以下の通りです。

  • 試験に合格する
  • 技能実習から特定技能へ移行

試験に合格する

特定技能測定試験では、技能試験・日本語能力試験に合格しなくてはいけません。試験内容は、各管轄の省庁が作成し、補助・運営なども行っています。即戦力として十分な知識・技術力があるのかを確認するための試験です。業種によって、難易度も異なります。

日本語能力試験においては、レベルがN1〜N5まで定められています。特定技能試験ではN4以上のレベルが必要です。国際交流基金日本語基礎テストは、実施頻度が高い試験のため、再試験も受けやすい特徴があります。

試験詳細

技能試験:各管轄の省庁が作成・補助・運営実施

日本語能力試験:国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(※介護分野においては、追加要件で介護日本語評価試験があります。)

試験は国内外で行われ、また、業種によって試験内容・会場・日程が異なるため確認が必要です。また、特定技能の試験を目的として「短期滞在」の在留資格で入国した外国人も試験を受けることができます。

技能実習から特定技能へ移行する

下記の条件を満たしている技能実習生は特定技能へ移行することが可能になっています。

・技能実習2号:良好に修了
・技能実習3号:実習計画満了
・技能実習:職種・作業内容・特定技能1号の職種が一致

移行する際に、技能実習を良好で3年間修了した場合及び、特定技能1号の業務に関連性がある場合、技能試験・日本語試験が免除されます。

関連性がなくとも、技能実習2号を良好に修了していれば同様に技能試験・日本試験が免除できます。

関連:技能実習生から特定技能へ移行・切り替えるには?条件や手続き等を解説

特定技能2号になるには

特定技能2号の取得方法は、現状2業種のみ取得できます。本来であれば、特定技能2号の試験を受ける必要がありますが、2021年度から開始しているため、現状は、特定技能1号からの移行のみによって2号となれます。

2号へ移行できるためには実務経験が必要です。例えば、建設業で班長などを務めた経験など、専門的・熟練した技術が必要となります。

まとめ

以上、特定技能1号と2号の違いについて解説をしてきました。

今回の内容をまとめると以下のようになります。

・特定技能1号は12分野、特定技能2号は2分野が雇用できる対象業種
・特定技能1号の在留期間は通算上限5年間、特定技能2号は無期限
・特定技能2号は1号よりも専門的で高いレベルの技能を有する
・特定技能1号は家族の帯同が認められないが、2号は配偶者・子に限って認められる
・特定技能1号は登録支援機関等による支援が必要だが、2号は必要ない

在留期間が無期限であるかどうかは、特定技能1号、2号の大きな違いであり、長期間優秀な人材を雇用したい企業にとっては2号の拡大が望まれるでしょう。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!