外国人技能実習生の給与の平均は?賃金について詳しく解説

外国人技能実習生の給料

外国人技能実習生を受け入れる場合、支払わなければならない給与はいくらくらいになるのか知りたいという方もいるかと思います。

実習生を適切に受け入れるためにも、賃金については理解しておく必要があります。そこで、外国人技能実習生の給与や平均賃金について詳しく解説をしていきます。

なお、協同組合ハーモニーにお問い合わせいただければ、技能実習生の受け入れにかかる費用など、制度について詳しくご案内いたします。技能実習生の受け入れを検討されている方はぜひお気軽にご相談ください。
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外国人技能実習生の給与の決め方

技能実習生の給与は受け入れ企業が自由に決めていいわけではなく、制度で定められたルールを守りながら給与を支払う必要があります。

最低賃金が適用される

技能実習生にも最低賃金が適用され、給与の支払いは最低賃金以上であることが定められています。

最低賃金以下で雇用契約を結ぶことは認めらておらず、仮に技能実習生の同意のもとで最低賃金を下回る契約を結んだとしても無効となります。

ニュースでは不当な低賃金で技能実習生を雇用したり、給与の支払いなどが取りざたされていますが、決してそのような不当な待遇はしないようにしなければなりません。

また、最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」あり、どちらも適用される場合は、どちらか高い方の賃金を支払う必要があります。

 ①地域別最低賃金 (都道府県ごとに定められている最低賃金)
 ②特定(産業別)最低賃金( 特定の産業ごとの基幹的労働者を対象に定められている最低賃金)

外国人に対して低賃金を設定するなど、不当な待遇をする企業に対しては受け入れ機関の許可を取り消す場合があります。許可取り消しとなると5年間は技能実習生の受け入れが禁止されるので注意が必要です。また、保証金や違約金などと名目をつけて外国人からお金を徴収するようなことも禁じられています。

割増賃金の支払い

技能実習生は日本の労働者と同様、雇用契約を結んでいるため、労働基準法が適用されます。

そのため、労働基準法で定められている割増賃金も発生に応じて支払わければなりません。

  • 時間外労働に対しては25%以上 
  • 深夜業 (午後10時~午前5時の労働)に対しては25%以上
  • 休日労働に対しては35%以上

時間外労働(残業)に対して、割増賃金が支払われていないということがないようにしましょう。不当な扱いを行うのは違反となるため、注意が必要です。

賞与の支払いは?

技能実習の制度上、技能実習生に対しての賞与の支払い義務については特に定められていません。賞与を支払うかどうかは受け入れ企業の判断に任せられます。

受け入れ企業の中には技能実習生にも賞与を支払う企業もあり、頑張りに対する正当な評価は実習生のモチベーションアップに繋がります。

技能実習生の給与の平均は?

以下の表は厚生労働省が公表している、在留資格別の外国人の平均給与になります。

在留資格区分賃金(千円)
外国人労働者計228.1
専門的・技術的分野(特定技能を除く)326.5
特定技能194.9
身分に基づくもの270.6
技能実習164.1
留学(資格外活動)
その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)189.6

データによると2021年の技能実習生の平均給与は164,100円となっています。

外国人労働者の合計の平均賃金が228,100円となっているため、依然として他の在留資格に比べると低いことが分かります。

給与の支払い方法と控除について

給与の支払い方法と、保険料や寮費などの控除は以下のように定められています。

賃金(労働基準法第24条)

賃金は、通貨で、受け入れ企業から直接技能実習生に、その全額を、毎月1回以上、一定期日に
支払わなければなりません。

・ 法令で定められているもの(税金、社会保険料など)
・ 労使協定で定めたもの(寮費や食費など)は、賃金から控除することができます。

ただし、具体的な使途を明らかにできない「管理費」などは、賃金控除協定を締結していたとしても、控除することはできません。

「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」(平成21年12月 法務省入国管理局公表) では、

・ 寮費や食費を控除する額は実費を超えてはならない
・ 実習終了時の帰国旅費や受け入れ団体が監理に要する費用を技能実習生に負担させてはならないとされています。

技能実習生の労働条件の確保・改善のために(厚生労働省)

有給はどうなる?

日本人の場合、入社してから6ヶ月経つと有給休暇が与えられますが、技能実習生も有給休暇は取得することができます。

6カ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した技能実習生は、年次有給休暇が与えられます。

週所定労働日数が5日以上または週所定労働時聞が30時間以上の場合は、以下の勤続年数によって有給が付与されます。

・6カ月:10日
・1年6カ月:11日
・2年6カ月:12日


有給に関しては労働基準法で定められていることであり、年次有給休暇を取得した技能実習生に対して、賃金の減額その他の不利益な取り扱いをしてはいけません。

まとめ

今回は、外国人技能実習生の給与や賃金についてご紹介しました。日本で就労する外国人の賃金問題はニュースなどでも度々取り上げられますが、賃金水準は国籍にかかわらず同一にしなければなりません。

外国人に対して低賃金を設定するなど、不当な待遇をする企業に対しては受け入れ機関の許可を取り消す場合があります。許可取り消しとなると5年間は技能実習生や特定技能の受け入れが禁止されるので注意が必要です。

また、保証金や違約金などと名目をつけて外国人からお金を徴収するようなことも禁じられています。

技能実習生の保護の観点からも、適切な給与の支払いを行うようにしましょう。

その他、技能実習について分からないことなどございましたら、協同組合ハーモニーにお気軽にご相談ください。

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