技能実習生3号とは?移行の条件や対象職種等を詳しく解説

技能実習では、技能実習1号・2号・3号の3つの区分があり、3号まで移行すると実習生は最長期間滞在することが可能となっています。できるだけ長く実習生を受け入れたい企業は技能実習3号について理解を深めておくといいでしょう。

そこで、今回は「技能実習3号」について移行要件や対象職種、また3号から特定技能への移行について解説していきます。

目次

技能実習3号とは

技能実習3号とは、技能実習4~5年目の技能実習生に与えられる在留資格のことを指します。技能実習は在留期間別に1号、2号、3号と分類されており、技能実習1号を修了した実習生は、技能実習2号へ移行し、2号修了後は、技能実習3号へ移行することができます。

それぞれの違いについてまとめると以下のようになります。

 受け入れ方式在留期間対象職種
技能実習1号・技能実習第1号イ
・技能実習第1号ロ
1年以内(実習1年目)制限なし
※原則2ヶ月間は座学の講習を受ける必要がある
技能実習2号・技能実習第2号イ
・技能実習第2号ロ
2年以内(実習2~3年目)対象職種のみ可能
技能実習3号・技能実習第3号イ
・技能実習第3号ロ
2年以内(実習4~5年目)対象職種のみ可能

※受け入れ方式のイは企業単独型、ロは団体監理型のことを指す

技能実習3号は日本での在留期間を延長して、1号から3号まで通算5年間、外国人実習生を受け入れることが可能です。現在の制度では技能実習4号はなく3号までとなっており、実習期間は最長5年間までとなっています。

技能実習1号・2号・3号の違いについては、以下の記事で詳しく解説をしています。

☑ 関連記事:技能実習1号・2号・3号の違いとは?職種や在留期間など各特徴を解説

技能実習2号から3号へ移行するための要件・条件

技能実習2号から3号へ移行する場合は、以下の要件を満たす必要があります。

・優良要件を満たしていること
・技能実習2号の修了と試験の合格が必要であること
・技能実習3号への移行が可能な職種と作業の範囲であること
・技能実習2号修了後に一時帰国を行うこと

優良要件を満たしていること

技能実習3号で外国人を受け入れる企業と監理団体は、それぞれ優良な監理団体、優良な実施者の認定を受ける必要があります。

優良な実習実施先の許可は、外国人技能実習帰国(OTIT)への技能実習計画の認定申請の際に、「優良要件適合申告書」の提出が必要です。また、省令で定められた項目で6割以上の点数(150点満点で90点以上)を獲得することで優良な実習実施者として認定を受けることができます。

優良な実習実施者の認定要件や項目については以下の記事で詳細を解説しているので、参考にしてみてください。

☑ 関連記事:優良な実習実施者とは?メリットや認定要件について解説


優良な監理団体の許可は、技能実習3号の監理指導のために一般監理事業の許可を受けることが必要です。一般監理事業の許可の優良要件は、実習実施者と同様、省令で定められた項目で6割以上の点数(150点満点で90点以上)を獲得することが必要です。

☑ 関連記事:監理団体の一般監理事業と特定監理事業の違いとは?

技能実習2号の修了と試験の合格が必要であること

技能実習3号へ移行するには、まず技能実習2号を修了する必要があります。3号への受験内容は、技能検定3級、またはこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格することです。

受験のタイミングは在留期限の2~3ヶ月前に行い、技能実習2号満了日前に、3号への移行手続きを行うように準備して行きましょう。

技能実習3号への移行が可能な職種と作業の範囲であること

技能実習3号では、対象職種に該当する職種のみ受け入れることができます。技能実習2号までは対象となっていても、3号では対象外となる場合もあるので注意が必要です。詳しい職種と作業内容は、以下の技能実習3号の対象職種をご参照ください。

技能実習2号修了後に一時帰国を行うこと

3号の実習を開始する前、もしくは実習開始後1年以内に母国へ1ヶ月以上1年未満の一時帰国をすることが必要です。なお、一時帰国に必要な旅費については、監理団体(企業単独型の場合は実習実施者)が負担することが必要です。

技能実習3号の対象職種

2022年4月25日時点、80職種・145作業が技能実習3号の移行対象職種となっています。

農業関係(2職種 6作業)

職種作業名
耕種農業施設園芸
畑作・野菜
果樹
畜産農業養豚
養鶏
酪農

漁業関係(2職種 10作業)

職種作業名
漁船漁業かつお一本釣り漁業
延縄漁業
いか釣り漁業
まき縄漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかご漁業
養殖業ほたてがい・まがき養殖

※棒受網漁業は2号では対象となるが3号では対象外

建設関係(22職種 33作業)

職種作業名
さく井パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金ダクト板金
内外装板金
冷凍空気調和機器施工冷凍空気調和機器施工
建具制作木製建具手加工
建築大工大工工事
型枠施工型枠工事
鉄筋施工鉄筋組立て
とびとび
石材施工石材加工
石張り
タイル張りタイル張り
かわらぶきかわらぶき
左官左官
配管建築配管
プラント配管
熱絶縁施工保温保冷工事
内装仕上げ施工プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工ビル用サッシ施工
防水施工シーリング防水工事
コンクリート圧送施工コンクリート圧送工事
ウェルポイント施工ウェルポイント工事
表装壁装
建築機械施工押土・整地
積込み
掘削
締固め
築炉築炉

食品製造関係(11職種 18作業)

職種作業名
缶詰巻締缶詰巻締
食鳥処理加工業食鳥処理加工
加熱性水産加工食品製造業節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
調理加工品製造
生食用加工品製造
水産練り製品製造かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造パン製造
そう菜製造業そう菜加工

※農産物漬物製造と医療福祉施設給食製造は2号では対象となるが3号では対象外

繊維・衣服関係(13職種 22作業)

職種作業名
紡績運転前紡工程
精紡工程
巻糸工程
合ねん糸工程
織布運転準備工程
製織工程
仕上工程
染色糸浸染
織物・ニット浸染
ニット製品製造靴下製造
丸編みニット製造
たて編ニット生地製造たて編ニット生地製造
婦人子供服製造婦人子供既製服縫製
紳士服製造紳士既製服製造
下着類製造下着類製造
寝具製作寝具製作
帆布製品製造帆布製品製造
布はく縫製ワイシャツ製造
座席シート縫製自動車シート縫製

※カーペット製造は2号では対象となるが3号では対象外

機械・金属関係(15職種29作業)

職種作業名
鋳造鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造
鍛造ハンマ型鍛造
プレス型鍛造
ダイカストホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト
機械加工普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
金属プレス加工金属プレス
鉄工構造物鉄工
工場板金機械板金
めっき電気めっき
溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理陽極酸化処理
仕上げ治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ
機械検査機械検査
機械保全機械系保全
電子機器組立て電子機器組立て
電気機器組立て回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御器具組立て
回転電機巻線製作
プリント配線板製造プリント配線板設計
プリント配線板製造

その他(20職種 37作業)

職種作業名
家具製作家具手加工
印刷オフセット印刷
グラビア印刷
製本製本
プラスチック成形圧縮成形
射出成形
インフレーション成形
ブロー成形
強化プラスチック成形手積み積層成形
塗装建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
溶接手溶接
半自動溶接
工業包装工業包装
紙器・段ボール箱製造印刷箱打抜き
印刷箱製箱
貼箱製造
段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷
自動車整備自動車整備
ビルクリーニングビルクリーニング
介護介護
コンクリート製品製造コンクリート製品製造
RPF製造RPF製造
鉄道施設保守整備軌道保守整備
鉄道車両整備走行装置検修・解ぎ装
空気装置検修・解ぎ装

※リネンサプライ、宿泊、ゴム製品製造は2号では対象となるが3号では対象外

社内検定型の職種・作業(1職種 3作業)

職種作業名
空港グランドハンドリング航空機地上支援
航空貨物取扱
客室清掃

参照:OTIT 移行対象職種情報

※客室清掃は2号では対象となるが3号では対象外

技能実習2号から3号への移行手続きの流れ

技能実習2号から3号へ移行するための手続きの流れは以下の通りです。

1.技能検定3級、または技能実習評価試験専門級の受験をして結果の通知を受け取ります。受検のタイミングは在留期限満了日前までに行い、再受験は1回に限り認められています。

2. 次に、技能実習3号の2年分の技能実習計画認定申請を行います。実習生が一時帰国する前に、申請書類の作成と雇用契約を行います。申請期間はおよそ3週間から2ヶ月ほどかかりますので、事前準備をしっかり行って手続きを進めましょう。

3. 技能実習2号から3号へ移行する前に一時帰国をします。再入国の前に年金の脱退一時金の申請も済ませておくと良いでしょう。

4. 技能実習2号の在留期限から2ヶ月以内に再入国する実習生の場合、出入国在留管理局へ「在留資格変更申請」の手続きを行います。技能実習2号の在留期限から再入国が3ヶ月を超える場合は「在留資格交付申請」を行います。

5. 在留資格の交付後、母国の在外領事館でビザの発給手続きを行います。

6. 日本に入国し、技能実習3号で受け入れがスタートします。

技能実習3号から特定技能へ移行するには

技能実習から特定技能へ移行するためには、以下の要件を満たす必要があります。

・技能実習2号を良好に修了すること(技能実習を2年10か月以上修了していること)
・技能実習で習得した技能と、特定技能1号で従事する業務内容に関連性が認められる場合
・特定技能1号の対象となる12の産業分野であること

技能実習3号から特定技能へ移行するためには、上記に加えて技能実習3号の実習計画を満了することが要件となります。

技能実習から特定技能への移行に関しては、以下の記事で詳しく解説をしています。

☑ 関連記事:技能実習生から特定技能へ移行・切り替えるには?条件や手続き等を解説

まとめ

以上、技能実習3号について解説してきました。技能実習3号は、1号から2号、3号へ移行した場合、通算で5年間受け入れることが可能です。

5年間に技術と経験を得て、その後、特定技能への移行を行った場合は、特定技能1号で通算5年間、2号の移行対象であれば在留期間の制限なしで延長して雇用することも可能となります。技能実習3号へ移行では、実習生が一時帰国することが要件となっていますので、各種申請手続きと、一時帰国のタイミングを考えて進めていきましょう。

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