技能実習生の生活指導員とは?役割や資格要件・講習について解説

技能実習生の生活指導員

技能実習を行うにあたって、実習実施者は「生活指導員」を選任する必要がありますが、生活指導員はどんな役割があるのか、どんな人がなれるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、生活指導員は外国人技能実習制度においてどういった役割があるのか解説をしていきます。また、生活指導員になるための要件や講習などについても解説をします。

生活指導員とは

生活指導員とはそのままの意味で、技能実習生の生活指導を担当する人のことです。

生活指導員は技能実習生の日常生活における管理・指導や、技能実習生の相談に乗り、サポートをするなどして失踪やトラブルの発生を事前に防ぐ役割があります。


現場の仕事に関する指導は技能実習指導員が担当しますが、普段の生活面での指導・管理は生活指導員が行います。


技能実習生の生活指導を行うにあたって、生活指導員がすべて担当しなければならないということはなく、補助者をつけて生活指導をすることもできます。

生活指導員になるための要件

生活指導員になるための要件は以下の通りです。

・申請者又は、常勤の役員・職員

・技能実習を行う事業所に所属する者


生活指導員は上記の条件を満たしていれば選任することができ、特に資格の取得などは必要ありません。また、生活指導員は各事業所ごとに1人以上いれば問題ありません。

生活指導員になれない人

生活指導員は要件を満たしていればなることができますが、以下に該当する人は生活指導員になることはできません。

①欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から 5 年を経過していない者など)
②過去 5 年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
③未成年者

生活指導員の講習について

生活指導員講習はどういった内容なのか、標準的なカリキュラムを例としてご紹介します。(各会場の詳しい開催時間等は開催スケジュールからご確認ください。)

☑ 技能実習指導員講習 開催スケジュール

ちなみに、技能実習責任者は講習の受講が義務となりますが、生活指導員は受講の義務はありません。ただし、受講することで優良要件の評価に加算がされるというメリットがあります。

講習の内容

時間講義時間内容
8:30~ 開場・受付
8:55~9:005分ガイダンス・注意事項
9:00~10:0060分講義① 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律について
10分休憩
10:10~11:1060分講義② 労働基準法及び関係労働法令について
10分休憩
11:20~12:2060分講義③ 労働災害防止・労働災害時対応について
休憩(昼食)60分
13:20~14:2060分講義④ 技能実習生との向き合い方について
10分休憩
14:30~15:0030分理解度テストの実施及び採点
15:00~15:1010分受講証明書交付

生活指導員は「講義」「テスト」「解説」で合計4.5時間のカリキュラムとなっています。

理解度テスト

生活指導員講習では、講義の後に理解度テストが行われます。テスト問題は〇×形式で20問出題され、7割以上(14問以上)の正解で合格となります。問題の内容は講義の内容をしっかりと聞いていれば答えることができる難易度となっています。

テストに合格すれば受講証明書が交付され、不合格であれば不合格通知書が交付されます。生活指導員は講習のテストの合格は必須ではありませんが、優良要件の点数に加点されるのでしっかりと講義を聞いて合格することが推奨されます。


理解度テストが不合格の場合は、受講証明書が交付されないため優良要件の加点とはなりません。

生活指導員講習はオンラインでも受講が可能

生活指導員講習はオンライン(ZOOM)で受講することも可能です。

2022年4月から初回受講の方でもオンラインで講習を受けることが可能となりました。


オンラインでの講習はZOOMでの参加
となり、参加するには1人1台のパソコン(ウェブカメラなどの周辺機器含む)が必要です。タブレットやスマホは不可とされているのでご注意ください。


また、理解度テストを受ける際には専用のURLが送られ、指定の専用サイトで理解度テストを受けます。


パソコンやZOOMに慣れていないとうまく受講できない場合がありますので、パソコンやZOOMの操作に自信がない場合は会場に直接行くことが推奨されます。

参照:全基連 オンライン生活指導員講習 

よくある質問

生活指導員講習は何年ごとに受ける必要がありますか?

技能実習責任者は3年ごとに講習を受ける必要がありますが、技能実習生の生活指導員は講習の受講は義務ではありません。任意で受講することになりますが、技能実習指導員が受講をしていると優良な実習実施者の評価点として加算されるというメリットがあります。


技能実習責任者と生活指導員は兼任することができますか?


技能実習責任者と生活指導員のそれぞれの要件を備えた上であれば兼務することは可能です。技能実習責任者の選任要件などについては以下の記事で解説をしているので参考にしてみてください。

☑関連記事: 技能実習責任者とは?役割や選任要件・講習について解説


技能実習指導員と生活指導員は兼任することができますか?


技能実習指導員に関しても、技能実習責任者と同様にそれぞれの要件を備えた上であれば生活指導員と兼任することが可能です。技能実習指導員についての解説は以下の記事で解説をしています。

☑関連記事:技能実習指導員とは?役割や資格要件・講習について解説

まとめ

以上、技能実習の生活指導員について解説をしてきました。

要点をまとめると以下の通りです。

・生活指導員と技能実習生の日常生活における管理・指導をする人。

・生活指導員は技能実習生の相談に乗りサポートをするなどして失踪やトラブルの発生を事前に防ぐ重要な役割がある

・生活指導員になる要件(申請者又は、常勤の役員・職員、技能実習を行う事業所に所属する者)

・生活指導員になるのに特別な資格は必要ない

・生活指導員講習は義務ではないが、受講すると優良な実習実施者の評価点に加算されるメリットがある


外国人技能実習制度において、生活指導員はただ単に技能実習生の日常生活の指導を行うだけでなく、失踪などのトラブル発生を防ぐという重要な役割もあります。


仕事の悩みや労働条件といった待遇から失踪するというケースも多いですが、中には人間関係の悩みや日本の生活に慣れないのが原因で失踪するというケースもあります。

そういったことにならないためにも、実習生の相談に乗り、より良い技能実習が行われるようにサポートをする生活指導員の存在は重要となってきます。

これ1冊で分かる!技能実習完全ガイド

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