農業分野での特定技能・外国人技能実習生受け入れガイド

外国人を雇用できる在留資格である「特定技能」ですが、どんな業種でも受け入れが可能というわけではありません。人材不足が深刻な14分野のみが受け入れ対象となっています。今回は14分野の一つ、農業分野での特定技能・外国人技能実習生受け入れについてご紹介します。

日本の農業の現状

農業分野が特定技能に含まれた背景には、深刻な農業従事者の減少があります。天候に左右されやすい農業は収入不安定なことから就業者が減る一方です。さらに少子高齢化が進み、後継者不足による高齢化が人手不足に拍車をかけており、日本の農業は担い手の確保が最重要課題と言っても過言ではありません。 そのため、外国人を労働者として受け入れられる特定技能の対象分野として加わることとなりました。これにより、農業分野での人手不足の緩和が期待されています。

特定技能での農業とは?

これまで、農業分野にて技能実習生が携われる業務は施設園芸、畑作・野菜、果樹の3つからなる耕種農業と、養豚、養鶏、酪農の3つからなる畜産農業のみでした。特定技能ではどのような業務に携わることが可能になるのでしょうか?

どのような業務に就ける?

特定技能では栽培管理、農産物の集出荷、選別などの「耕種農業全般作業」と飼養管理、畜産物の集出荷、選別などの「畜産農業全般作業」に携わることが可能です。さらに、加工・運搬・販売作業や冬場の除雪作業など、付随する関連業務を行うことも認められています。ただし、農産物の選別のみ、といった特定の作業や関連業務のみに従事させることは認められていません。

在留期間はどのくらい?

特定技能には在留期間が最長5年と定められた「特定技能1号」と、在留期間の上限がなく家族の帯同も可能な「特定技能2号」の2種類があります。農業分野では1号の受け入れが可能で、通しで5年雇用する他に、繁忙期の半年間だけ日本に来てもらう方法であれば通算して10年の雇用が可能です。注意しなければならないのが、外国人がどんなに優秀であっても後継者になってもらうことはできないという点です。特定技能による受け入れはあくまでもサポートだということを忘れてはいけません。

農業分野の特定技能を取得する方法は?

特定技能は人手不足の解消を目的とした制度のため、即戦力になることが前提条件になります。そのため、一定水準の日本語が理解できることと、農業技能の知識が求められます。 具体的には日本語能力試験(JLPT)でN4以上を取得する、もしくは国際交流基金日本語基礎テストでの合格が必要です。農業技能については、農林水産省が定める農業技能測定試験に合格しなければなりません。試験範囲は耕種農業と畜産農業全般で、テキストは無料公開されています。 また、農業分野にて技能実習2号を修了すると試験が免除され、特定技能1号へ移行することも可能です。

特定技能外国人を雇用する条件は?

人手不足解消が期待できる特定技能ですが、誰でも受け入れられるわけではありません。特定技能外国人を雇用する条件をみていきましょう。

直接雇用

特定技能外国人を雇用するには、過去5年以内に労働者を6ヵ月以上雇用した経験がなくてはなりません。そのうえで、「農業特定技能協議会」に入会し協議会に必要な協力を行うことが条件となります。さらには、農業分野にて外国人材を受け入れる場合に満たすべき基準を満たすことを誓約した「誓約書」を作成し、受け入れ手続き書類とともに地方出入国在留管理局へ提出する必要です。

派遣形態雇用

農業分野では派遣形態での雇用も可能です。これは、農閑期によって特定技能外国人が安定した収入を得られないリスクがあるためであり、特定技能としては珍しいといえます。この場合、特定技能外国人は派遣元と雇用契約を結び、派遣先である農業者の指示に従い業務を行います。

転職も可能

特定技能外国人は労働を目的として来日するため、転職も可能です。ただし、「同一の業務区分内、または試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」のみと定められているため、農業の特定技能しか取得していない場合は農業以外の分野への転職やアルバイトは認められていません。

農業分野での特定技能・外国人技能実習生受け入れまとめ

収入の不安定さや従事者の高齢化により深刻な人手不足に陥っている農業分野は、特定技能による受け入れ対象となっています。農業分野では外国人技能実習生の人数も多く、技能実習2号を修了すれば無試験で特定技能1号へ移行することも可能なため、大きな期待を寄せられています。 しかし、農業分野は特定技能1号の受け入れしか認められておらず、在留期間は最長で5年です。人手不足の解消にはなっても後継者問題の解決にはならないので注意しなければなりません。協同組合ハーモニーでは働きたい外国人と雇用したい企業をマッチできる仕組みづくりに取り組んでいます。農業分野にて特定技能の受け入れを検討される場合はぜひ協同組合ハーモニーへお任せください。

協同組合ハーモニー事務局

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